我々のように文章を書く仕事をする者は
作品とまではいかないものの、書いた原稿が残る。
現代はネット社会になっているが、検索すれば過去の記事もサーチできてしまう。
便利なようで面倒くさくもあるのだが
毎年、思い出しては語っておきたいのは
若くしてこの世を去ってしまった仲間のことだ。
5年前の1月7日に安達くんは亡くなった。
命が短いことを分かりながら
自身が経営するバーのカウンターに立ち続けていた。
「命には別条ない」と嘘をつきながら。
痩せ方が異常だった。
ガリガリなのに下腹がぽっこり出ていて「腹水がたまってるんじゃないの?ホンマに大丈夫か?もうすぐ死んじゃう人みたいに見えるよ。気を付けてよ」と、僕は何も知らずにイジっていた。
「そんなわけないやん。勘弁してよ。それやったら店立ってないから」という返しをしっかり信じてしまっていた。
僕も安達くんと同じようにバーを経営していた。
普通の人よりはそれはそれはかなりの量のお酒を飲んできた。
現在、僕のお店は閉めているが、店に立っていた頃は肝臓の数値が良くなかった。
飲まなくていい日でも、習慣のように飲んでいた時期もあったが
今は不要不急のお酒は飲まない。
安達くんの分まで生きて、神戸の街を盛り上げるため無理はやめた。
6日から7日に日付が変わる頃
安達くんの高校時代の同級生が営むバー・ミカゲヤで
ビール党だった安達くんの分も一緒にお酒を飲んだ。
もちろん感染症対策を万全に。
大親友ヅラなんてするつもりもない。
ただ、野球を通じて知り合った仲間。
志なかばで人生の幕を閉じた彼を忘れたくなかった。
思い出した時にはまた
カッコつけて安達くんのことを
知ったような顔して語りたいと思います。
5年前の東スポの記事
一応添付しておきます。
【追悼】神戸復興へ一役担った元阪神投手・安達くん | 東スポWEB
元阪神投手の安達智次郎氏が7日未明、肝不全のため神戸市内の病院で死去した。41歳だった。通夜は8日午後7時から神戸市長田区のシティーホール高速長田、葬儀・告別式は9日午前10時から同会場で行わ...
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