制球難に陥って2軍調整を続けていた阪神・藤浪晋太郎投手がついに一軍マウンドに帰ってきます。7月26日のウエスタン・中日戦に登板し、6回2失点、無四球の投球。落ち着いたマウンドさばきで、不安を感じさせる要素はなかったように見受けられました。
もともと、暴れ球が武器でもある藤浪投手ですが、右打者の頭上を通り過ぎてしまようような危険な抜け球が突然、出てしまうようになってしまっていました。故意ではないにせよ、プロの打者と対戦するに当たっては技術不足ということになります。死球となると相手に故障をさせてしまう危険性もあります。
相手チームの首脳陣からすれば「こんなの出してくるのは失礼だよ」という感情を抱いてもおかしくないでしょう。ということもあり、相手チームは藤浪投手に対しては試合で左打者ばかり並べてくるということをしてきました。阪神サイドからすれば「嫌がらせ」に見えるかもしれませんが、相手から見れば仕方がないでしょう。
そんな中で相手との勝負の前に自分の技術との戦い、心との戦いなど、藤浪投手に葛藤があったと思います。まだ25歳です。自分にしか解決できない問題ではありますが、多くの人の助けを借りて、人の気持ちをたくさんもらって、人間として一回り大きくなったと思われます。
26日の登板を甲子園で実際に見てきました。その当時の様子を短いですが東京スポーツ紙面で書かせてもらいました。よかったらこの内容もご一読ください。
もともと、ポテンシャルのものすごく高い選手です。結果だって最初から残しまくってます。できるはず、できて当然などと思われることが逆に本人にはマイナスに働いたのかもしれません。とはいえ、どうであっても野球選手でい続けるのなら自分で克服するしかないのも事実です。
98年からプロ野球記者を始めて、いろんな選手を間近で見せてもらいました。厳しい世界ですが、ここで結果を出した人たちに共通するものがあります。野球を仕事と思わず、野球が好きで仕方のない人。もっと、もっと野球を好きになって、追求して追求して、そのプレーや類稀なるセンスでファンを魅了してください。
8月1日の藤浪投手のリスタートを楽しみにしています。結果はいいに越したことはないですが、ここからです。10年先に笑って振り返ることができるように、楽しんでほしいです。
交流戦では大阪桐蔭の後輩で、バッテリーを組んでいた西武・森友哉捕手にも取材をさせてもらいました。先輩を思いやる気持ちが伝わってきましたし、藤浪投手の人望も見えました。その時の記事も参考にしてみてください。
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